豆知識
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飲食店における消火器具設置に関する法改正
飲食店等における消火器具設置に関する法改正
<消火器具の設置基準の見直し> 【現行の消防法】飲食店等においては、延べ面積150㎡以上の ものに消火器具の設置を義務付ける。
【改正後】
火を使用する設備または器具(防火上有効な措置として総務省令で 定める措置が講じられたものを除く)を設けた飲食店等においては、原則として、延べ面積にかかわらず消火器具の設置を義務付ける。
2019年10月1日施行 (2018年3月28日消防法施行令の一部を改正する政令)
民泊施設等の消防設備設置基準の見直し
住宅宿泊事業法の施行に伴い、民泊施設における消防用設備等の設置基準が見直されました。
民泊施設の用途は、一般住宅、宿泊施設(5)項イ、共同住宅(5)項ロ、複合用途(16)項イに分類され、
建物の用途によって消防設備の設置基準が異なります。
移動式粉末消火設備の開放点検の経過措置(既存設置分)
2016年6月1日より、施行された点検基準は3年間の経過措置がありましたが、2019年5月31日までに全数点検をしてください。
「ヤマトプロテック(株) Yまがじん No.203より抜粋」
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自家発電設備の点検方法改正
自家発電設備の点検方法が改正されました。
【改正前の問題点】
🔶負荷運転実施の際、商用電源を停電されなければ実負荷による点検ができない場合がある。
🔶屋上や地階など、自家発電設備の設置場所によっては擬似負荷装置の配置が困難となり、装置を利用した点検ができない場合がある。
詳細は平成30年6月1日消防庁消防法施行規則等の一部を改正する省令(案)等に対する
意見公募の結果及び改正省令等の交付をご参照ください。
「ヤマトプロテック(株) Yまがじん No.202より抜粋」
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劇物指定物質を含有する泡消火薬剤の取り扱いについて
平成30年6月29日、厚生労働省より「毒物及び劇物取締法」に基づく毒物及び劇物指定令の一部を改正する法令が公布され、一部の泡消火薬剤に含有するトリエチレンテトラミン(CAS番号112-24-3)が、平成30年7月1日から劇物に指定されました。これに伴い、同年7月1日から当該泡消火薬剤を取り扱う場合には、毒物及び劇物取締法の基準に則る必要があります。また、同年10月1日からは、販売業者にあっては販売業登録、毒物劇物取扱責任者の設置が必要となり、販売業者及び業務上取扱者にあっては予備品として保管している泡消火薬剤がある場合にはそのポリ缶等の容器への劇物表示が必要となります。こうした内容を正しく理解し、運用していただくため、一般社団法人日本消火装置工業会が、平成30年6月に概要をまとめたリーフレット(日消装発第30-14号)を発表しました。以下がその抜粋ですので、ご確認ください。
泡消火薬剤(ポリ缶等の容器)の保管、取り扱い上の注意事項
当該泡消火薬剤(ポリ缶等の容器)を保管する際は、保管場所に「医薬用外劇物(白地に赤文字)」と表示してください。※平成30年10月1日適用開始
泡消火薬剤(ポリ缶等の容器)を販売される方へ
・販売する店舗(営業所等)単位で、販売業登録が必要です。
・販売する店舗で直接当該泡消火薬剤を取り扱う場合は、毒物劇物取扱責任者を配置してください。※平成30年10月1日 適用開始
「ヤマトプロテック(株) Yまがじん No.201より抜粋」
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すべての飲食店に消火器の設置が義務付けられます
ヤマトプロテック株式会社 Quick News No.263より抜粋
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なぜ6人もが死んだか?・・・悪質老朽アパートの悲劇・・・(2)
「民泊」問題へ結びつく?
この建物は、ここ10年ほどの間に個人経営者が維持管理に手を焼いて、結局住宅管理専門会社に売却している。それまでは日額賃料が一律500円という安さもあって、数年間は滞在する定住者もいたらしい。だが、新たな管理会社はむしろ長期滞在者を避ける意味からか日額900円に一律アップ。高齢の低所得者にとってこの差額は大きく、管理会社の狙いどおり、ショートステイの客が主流となっていった。
名前も顔もよく知らない人間たちが一過性で住みつき去っていく。まさに古屋とはいえ、共同住宅から簡易宿泊所へと移行する・・・人間的なつながりを喪失していく、都市の荒廃をみる思いもする。それはともかく、消防法の規制からいうと、アパートなど共同住宅と簡易宿泊所は建物分類が異なるのだ。共同住宅は定住者がいることで、居住者同士のコミュニケーションが図りやすい。安全維持がそこに住む人によって日常、確かめられているのだ。
一方、簡易宿泊施設は見てくれ、内容の如何を問わず、滞在者はすべて一過性の通過客。客相互の対話など成り立たないし、その居住安全などに関しても、建物管理者の責任下において処理される。消防法や食品衛生法といった法規制が強くかかって当たり前なのだ。ところが今回火災では、名目上は共同住宅、実態は簡易宿泊所の、しかも極めて悪質な形状下で出火し、最悪といってよい大惨事を招いた。
かつての経営者と現在の管理会社に対して、激しい指弾と非難の声が浴びせられているが、むしろ当然と言ってよいだろう。今なお、この火災に関する調査と、多数の死者が出た原因について、関係機関で詳細な追跡調査が行われている。どのような結果が出ようと、失われた6人もの生命が再び還ってくる可能性はゼロだ。われわれ国民全体の問題として改めて注目し続けたい。
そして、これに類する最近の重大問題として、闇の「民間宿泊所=民泊」の跋扈を無視するわけにはいかない。国が、外国人観光客誘致を国策としてうち出して以来、❝認可制❞という曖昧な枠組みを背景にして、無認可、ヤミの「民泊」が東京、大阪、京都などと、その周辺部で大挙出現しつつある。防災だの食品衛生、環境維持、騒音問題などほとんど無視した民間簡易宿泊所が、毎日のように増え続けている。
消防署、保健所などが知らないエリアで、安全二の次の空間が増殖してやまない。もう「知らなかった!」で済まされる段階ではないのだが。
新坂 理一郎(フリーライター)「ヤマトプロテック(株) Yまがじん No.197より抜粋」
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なぜ6人もが死んだか?・・・悪質老朽アパートの悲劇・・・
築60年の木造建築!
GW真っ盛りの今年5月7日深夜(午後11時20分ごろ)、北九州市小倉北区清水のアパート「清水荘」から出火。寝入りばなを襲われた滞在者16人のうち、6人が死亡し5人が負傷するという大惨事に発展してしまった。
死亡した6人は、男女の区分さえ見分けられないほど無残に損傷し、この火災が短時間内に、いかに烈しく燃え上がったかを窺わせた。焼けた建物は、総面積300㎡ほどの木造瓦葺き2階建てで、のちに築60年の老朽化著しい粗悪建物と判明した。
ここで当夜宿泊していた人は、すべて男子の高齢者たちであり、無職の年金生活者、生活保護対象者で占められていたという。つまり男子単身高齢者専用のアパートとして古屋のまま営業を続けてきた粗悪建物だった。
外観上は木造瓦葺き、モルタル造の2階屋であったが、内部は全16室で、1室だけがトイレ付きの6畳間、残り15室はすべて4.5畳間。台所も便所も各階で共用となっていた。喫煙習慣のある居住者が多く、吸い殻などは、各階にある共同洗面所の排水溝にそのまま投げ捨てる人が少なくなかったらしい。階段は玄関脇から上下する1本だけで、非常口らしいものも設置されてはいなかった。
以前、このアパートに住んでいたことのある男性は「アパートと呼んではいたが、実質的には簡易宿舎であり、とくに最近は、短期宿泊者専用のような使われ方をしていた。自分は1年余り続けて宿泊した経験があるが、その間、消防訓練や避難訓練をした覚えはない」「肝心の消防設備も、消火器が1、2階合わせて数本しかなかったはずだ」「むろん自動火災報知器もなかったし、第一、火元責任者のような人も見たことはなかった」と、火災直後に述懐している。
火災後、しだいに明らかになったこの建物の経歴は、実はよく分かっていない。建築されたのはおおむね60年前くらいで、この辺り一帯は石灰産出で知られた小倉市であった。炭鉱労働者か、それに関連する人々のうち、単身者用に建てられたものであったのは確からしい。やがて小倉市は門司、若松市などと併合されて北九州市となるが、その間の街区や建物事情の変化は急だった。
従って、このアパートが建てられた経緯も、正規の建築確認をとった台帳記載のない今では判明しない。建築確認申請が成されていなかったら、この建物は現在の北九州市建築局の台帳に登録されてないし、当然消防局の立入検査台帳も存在してはいなかったはずだ。どこの自治体にも、この種建物は必ず存在し、それは火災などによって不幸な死者が出た段階でやっと日の目を浴びる。消防用語で言うと「未把握建築物」であり、これは建築・消防部局にとっての一種の❝鬼っ子❞だ。
・・・次回に続く・・・
新坂 理一郎(フリーライター)「ヤマトプロテック(株) Yまがじん NO.197より抜粋」
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強風、乾燥下の悪戦苦闘…糸魚川大火の見えない部分…(2)
市街地大火をなくすためには
糸魚川市は、北陸本線で富山県側から新潟県に入った最初の海側にある街だ。駅前から海に向かって開けた古い歴史をもつ土地で、地質学上はここから始まったフォッサ・マグナ(大地溝)が静岡まで走っていることで知られている。
古い歴史をもつ街だけに、市は昔ながらの家並をもつ道や、和風建築の屋敷町などを観光資源として売ろうとしていたようだ。だから、駅前から海岸に至るメイン道路周辺とは別に、造り酒屋など木造大建築物が蝟集する一角も観光用エリアとして整備を進めてきた。建物形態としてそれぞれ性格が違うものの共存を図ろうとしているから、防災安全対策の画一性を保とうとすれば、難しい面があるかもしれない。
街の安全維持を担当する消防機関とすれば、こうした二面性は防御に難しさがある。繁華な商業地域は出火危険が高く、屋敷町などは逆に、万一出火した場合の拡大危険が極めて高いものになる。もしこういう形態の街づくりを進めようとするなら、町並み保存や、寺社・歴史的遺構などが多い先進都市のハード面整備を見習わなければならない。それほど強力でもない消防力に全面的に依存するのは本末転倒だろう。
そしてその消防力でる。先述したとおり、各市町村の消防力(人員、機械、施設)は国が定めた基準によってその最低数が確保される仕組みになっている。基本的に、国はそれらの最低数が確保されていれば良しとする。誰でも分かるように、地方自治体にとって最も高くつくのは人件費であるから、どこの市町村も非常時用人材である消防職員の定数は基準ぎりぎりの最低数に過ぎない。
こうした実情が、地方都市へ行けば行くほど顕著に出る。消防車や救急車は何台もガレージで待機しているのに、消防署員は数えるほどしか詰めていない。要するに、何台かの車は、隊員が災害出場の種別に応じて乗り換え運用しているのだ。大都市のように、車種それぞれに決まった専従乗務員がいるのではなく、現場の種類によって隊員は車種を乗り換える。それで人員不足を補う作戦をとる。
こうした乗り換え運用を含めて、地方都市の多くは第一出場で現場へ出る車両数、隊員数は大都市に比べて大幅に少ない。最初から守勢に立たされる例もあって、こうなれば、いわゆる「初動時の劣勢」は明らかだ。とくに、地方都市であり、なおかつ密集度の高い地域に対するそれは、どうすれば克服できるのか。
が、これがなかなかの難問題。国土交通省が5年前から取り組みを始めた「地震時等に著しく危険な密集市街地」の設定によって、全国17都道府県下で5,700ヘクタールを選び出してはいる。ではそれをどうすれば地震時等大火の限定阻止につながるか、といえばまだ具体策は見えていない。
今回火災でショックを受けた総務省消防庁は、急ぎ学識経験者・実務専門家などを招聘して、強風下など悪気象条件下の「密集市街地の消防対策」検討を始めた。酒田大火以来40年を経過して、なお類似火災が出たことに大きなショックを受けている模様だ。強化充実が著しい、といわれる地方都市大火対策も、ことここに至ると、また新たな高齢過疎化などの問題も含めて、決して一筋縄ではいかないことがよく分かる。地方都市大火が、いくらかの対策充実によって、あるときピタッと再発生しなくなるとは考えにくい。
糸魚川大火も、過去いくつかの実例があって、なお今回火災を再発させた。火災予防に万全はあり得ないし、人為ミスによる限り、必ず再発するのもまた、火災なのである。それにいかに抵抗し得るか、これが今後の地方都市消防に与えられた課題だ。
ただし、何も悲観的になる理由はない。のちに記者会見で糸魚川市消防署長は「結果として大火になったが、それは物理的な劣勢も含めて、消防隊員の責任ではない。現有勢力で必死に戦った隊員たちを、私は指揮者としてこころから誇りに思う」と、涙ながらに述懐している。現段階では、地方都市大火を、抜本的に防止できる対策などあろうはずがない。しばらくは現有戦力で戦うしかない地方都市消防にとって、そこに懸けるのもまた一手段ではあるまいか。いや、それしかない。
そう、それが今回火災のいちばん深いところを衝いた、真実の声である。
新坂 理一郎(フリーライター)「ヤマトプロテック(株) Yまがじん NO.196より抜粋」
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強風、乾燥下の悪戦苦闘 …糸魚川大火の見えない部分…
大火に至った経緯
昨年暮れも押し詰まった22日、新潟県糸魚川市で大火が起こった。午前10時30分ごろ出火のこの火事は、本来あってはならない原因による。
糸魚川市いちばんの目抜き通りにある中華料理店「上海軒」の主人は、開店前に油なべを加熱、その火を点けたまま一時、近所にある自宅に帰ってしまった。これが数分後に自然発火、一挙に燃え上がったもの。まずプロにあるまじき失態が生じた。折から、糸魚川市には冬季独特の強風が吹き荒れていた。さらに悪いことには、東側の山岳から下ってくるフェーン現象の乾燥風も加わった。気象的に、わが国日本海側の都市大火が起きやすい条件がこうして揃っていった。
油なべから立ち上がった炎は、驚くべき速さで中華料理店一帯の市街地に襲い掛かり、あたり一面を火の海に変えようとしていた。119番通報でいち早く飛び出して行った消防車はつごう6台。糸魚川市にとっては、水の出る消防車両を総動員して特別出場させたのだ。気象条件を考えての、最初から最大級の主力車投入。総指揮に当たった消防署長は、すでに大火になる予感を感じていたのである。
そしてこの火災は、消防署長の悪い予想通りに展開し、糸魚川市海岸沿いの街区は火の海と化していくのだった。付近の町々から応援部隊も続々駆けつけたが、最盛期に至った火勢は衰えず、延々30数時間燃え続けた結果、焼損面積で約40,000㎡、焼損建物144棟に上った。最近の都市火災としては、40年前の山形県酒田市大火(焼失面積15万㎡)以来の焼失面積を記録したことになる。
参考までに触れておくと、「戦後10大火災」という記録があり、これによると北海道岩内町を除いて、残りすべてが列島日本海側の都市火災ということになる。今回もその前例に漏れなかった。
そしてこれら過去の市街地大火をみると、いくつかの共通項が見つかる。
まず、最初に触れたように、冬場の強い季節風が列島山岳部から日本海側に吹き降ろしていること。これが日本海へ吹き抜けることによって、海浜部のまちは強風の吹き曝し状態になる。もうひとつは先述したフェーン現象で、これは小さな火種でも、容易に拡大する高温乾燥の大気を生む。この二つが相乗することによって、ボヤは一気に大火へスケールアップする、と言われている。
もう一点は、一部大都市を除いて、日本海側の街は総じて消防力が弱いことだろう。消防車を始め、消防用施設は「消防力の基準」によって基本配置数が決まっており、小規模都市は初動に投入できる消防車両、隊員総数ともに少ない。だから、第一出場の段階で火勢の極限防止につまづけば、それは一気に延焼拡大へと進展する。今回火災がそうである、というのではないが、この初動の段階での成否が、そのまま結果につながる例は少なからずある。
・・・次回に続く・・・
新坂 理一郎(フリーライター)「ヤマトプロテック(株) Yまがじん NO.196より抜粋」
強化液(中性)消火器の設置が増えています。
強化液(中性)消火器の設置が増えています。
消火後の破損が少なく環境にやさしい水系消火器として、強化液(中性)消火器の人気が高まっています。
⇓ ここがスゴイ! ⇓
内部にまで薬剤がしっかり浸透するので、再燃を防ぎます。
♦消火後の汚損が少ない。
火元周辺の汚損が少なく、清掃が簡単。 二次被害を軽減します。
「ヤマトプロテック(株) Yまがじん No.203より抜粋」