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なぜ6人もが死んだか?・・・悪質老朽アパートの悲劇・・・

築60年の木造建築!

GW真っ盛りの今年5月7日深夜(午後11時20分ごろ)、北九州市小倉北区清水のアパート「清水荘」から出火。寝入りばなを襲われた滞在者16人のうち、6人が死亡し5人が負傷するという大惨事に発展してしまった。

死亡した6人は、男女の区分さえ見分けられないほど無残に損傷し、この火災が短時間内に、いかに烈しく燃え上がったかを窺わせた。焼けた建物は、総面積300㎡ほどの木造瓦葺き2階建てで、のちに築60年の老朽化著しい粗悪建物と判明した。

ここで当夜宿泊していた人は、すべて男子の高齢者たちであり、無職の年金生活者、生活保護対象者で占められていたという。つまり男子単身高齢者専用のアパートとして古屋のまま営業を続けてきた粗悪建物だった。

外観上は木造瓦葺き、モルタル造の2階屋であったが、内部は全16室で、1室だけがトイレ付きの6畳間、残り15室はすべて4.5畳間。台所も便所も各階で共用となっていた。喫煙習慣のある居住者が多く、吸い殻などは、各階にある共同洗面所の排水溝にそのまま投げ捨てる人が少なくなかったらしい。階段は玄関脇から上下する1本だけで、非常口らしいものも設置されてはいなかった。

以前、このアパートに住んでいたことのある男性は「アパートと呼んではいたが、実質的には簡易宿舎であり、とくに最近は、短期宿泊者専用のような使われ方をしていた。自分は1年余り続けて宿泊した経験があるが、その間、消防訓練や避難訓練をした覚えはない」「肝心の消防設備も、消火器が1、2階合わせて数本しかなかったはずだ」「むろん自動火災報知器もなかったし、第一、火元責任者のような人も見たことはなかった」と、火災直後に述懐している。

火災後、しだいに明らかになったこの建物の経歴は、実はよく分かっていない。建築されたのはおおむね60年前くらいで、この辺り一帯は石灰産出で知られた小倉市であった。炭鉱労働者か、それに関連する人々のうち、単身者用に建てられたものであったのは確からしい。やがて小倉市は門司、若松市などと併合されて北九州市となるが、その間の街区や建物事情の変化は急だった。

従って、このアパートが建てられた経緯も、正規の建築確認をとった台帳記載のない今では判明しない。建築確認申請が成されていなかったら、この建物は現在の北九州市建築局の台帳に登録されてないし、当然消防局の立入検査台帳も存在してはいなかったはずだ。どこの自治体にも、この種建物は必ず存在し、それは火災などによって不幸な死者が出た段階でやっと日の目を浴びる。消防用語で言うと「未把握建築物」であり、これは建築・消防部局にとっての一種の❝鬼っ子❞だ。

・・・次回に続く・・・

新坂 理一郎(フリーライター)「ヤマトプロテック(株) Yまがじん NO.197より抜粋」

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